鬼の話
小さい頃に、鬼を見たことがある。
いきなり何?と思うだろうけど、まあ聞いてくれ。
俺が多分小学生くらいの時の話。
当時、一番上の兄ちゃんは人を驚かすことにハマっていた。
よく俺や真ん中の兄ちゃんがトイレから出てくると、死角から急に
現れてビックリさせてきてた。
で、ある日のこと。小便をした後トイレから出ると、
いつものように兄ちゃんが柱の影に隠れていた。
俺はそれに気づいて、兄ちゃんもバレた〜って感じで二人で笑ってた。
その時。兄ちゃんの後ろに鬼が立っていた。
天井につくくらいのデカさ、体は真っ赤で、顔はゴツゴツして目が黄色い。
筋肉質だけど関節は細い。で、なぜか片手にティッシュの箱を握ってた。
優しそうな表情で「これ、借りるよ〜」的な雰囲気で立ってた。
一度瞬きをしたら、もうそこにはいなかった。
この話はもう色々な人に話してて、遂にブログにまで書いてしまった。
色々な人に話しすぎて、本当は俺のただの妄想だったんじゃないか?
って最近思えてきた。でも、それでも俺はこれからも言おう。
鬼を見たことがあると。
鬼はあの時、なんでティッシュをパクっていったんだろう。
風邪ひきの青鬼さんのため?ただのイタズラ? 分からない。
あの鬼は今の俺に会っても、あの優しい笑顔をしてくれるのかな・・。
まあ、小さい頃は節分になると積極的に豆まきしてたから、
多分もう家にはいらっしゃらないでしょう。
そんな感じ。